こんにちは。小川です。
今年から田んぼを少し増やし、4枚の圃場(2反5畝=約2500平方メートル)で無農薬・無肥料あるいは植物性肥料でお米を育てています。
4枚の田んぼで同じように栽培しているのですが、1枚だけ草が生えてこない田んぼがあり無除草栽培のヒントになるかもと思ったのでシェアします。
<h2>◼️無除草栽培のコツ!まとめ</h2>
最初に無除草栽培のポイントをまとめておきます。
・秋起こし&春起こしで有機物(稲わら)を完全に分解すること
・田植え後は深水管理すること
この2つが無除草栽培のコツ、かもしれません。
そう思う理由はというと、、、
<h2>◼️4枚の田んぼについて</h2>
現在、4枚の田んぼをお借りしています。
とりあえず説明がしやすいように各圃場を房1と房2、神1、原1とします。
房1と房2は以前からお借りしていた田んぼで、重粘土質の田んぼです。前年の藁の半分は堆肥にし、残りの半分は田んぼに漉き込みました。
神1と原1は今年からお借りした田んぼ。砂と粘土が混ざった壌土質の土質です。前年の藁は全てコンバインで裁断されていたので田んぼに漉き込みました。
いずれの田んぼも
・秋起こし(秋の耕運)なし
・2月、3月に耕運
・4月に代掻き
・5月に田植え
・田植え後1週間で田ぐるまを押して除草
をしました。
<h2>◼️4枚の田んぼのうち1枚だけ草が生えない。それは排水性の違い。</h2>
4枚の田んぼのうちの1枚だけ草が生えていません。
残りの3枚は草が生えて来たので田植え後3週間で再度田ぐるまを押しましたが、それでも草が生えて来ます。やばいくらいに、、、。
草が生えてこない田んぼは神1。他の田んぼとの<b>大きな違いは暗渠が入っている</b>こと。暗渠は、水を抜くパイプを田んぼに埋め排水性を良好にします。
排水性が良いことでどんな違いが生まれたのか考えると、好気性微生物の増殖とそれによる有機物の分解の差だろうと思います。
一般的には稲刈り後と春先に耕して稲わらを分解するのですが、今回は春の耕起のみになってしまったのでできるだけ稲わらの分解が進むように2月、3月の二回耕起しました。空気が土の中に入るよう荒く耕し、好気性微生物が働きやすい環境にすることで、微生物が稲わらなどの有機物をスムーズに分解してくれるように。
この好気性の微生物が一番多くいた、そして前年の稲わら等の有機物を全て分解したと思われるのが神1の田んぼです。そして、粘土質にも関わらず水が抜けやすい房2の田んぼも、雑草が比較的生えにくく稲の生育が良い気がします。とは言え、神1の圃場との差は一目瞭然です。
未分解有機物が残っていると雑草(特にコナギ?)が生えると何かの本かウェブサイトで読みましたが、それは本当なんだなと実感する経験になりました。<b>水田の雑草(水草)は嫌気性微生物から発生する何か(メタンガスか?)を好むのかも</b>しれません。
<h2>◼️深水にすることで太陽光を遮る!のかも</h2>
雑草が生えてこないように深水管理すること、と水稲栽培の本やウェブで書かれています。それほど深水管理には意識を向けていなかったのですが、「あぁ、本当に深水管理することで雑草が生えにくくなるかも」と思いました。
田んぼにもよるのですが水を入れても濁りが取れない田んぼがあります。ずっと濁ったままの田んぼ。そういう田んぼは微生物が豊富なのではないかと思っています。
水が濁っている。それは太陽光を遮ります。植物は太陽光を受けることで発芽しますが、その太陽光を濁った水が遮ることで発芽を抑制する、のかもと。
4枚とも濁り水なのに何故神1以外の田んぼに草が生えるのかわかりませんが、、、。
でも何となくそんな気がしたので備忘録的に書いておきます。
<h2>◼️小話:未分解有機物の害</h2>
ちょっと話は変わりますが、昨年は稲わら残渣を代掻き直前にすき込みました。その結果、ガスわきと呼ばれる現象が起きました。
田んぼに水を張ることで稲わらを嫌気性微生物が分解するのですが、その際にメタンガスなどを排出します。そのガスは稲の根に多大なダメージを与えます。田んぼの中に足を踏み入れるとブクブクとガスが湧いて来て、アンモニア臭がしました。田植え後、元気だった苗が見る見るうちに黄色く変色し枯れていく苗もありました。
ガスわきに効く微生物資材を投入し、土中に酸素を入れようと田ぐるまで耕起してとりあえず収穫できるくらいには育ちましたが、何もしなかったら全滅だったかもしれません。
昨年、今年の経験を経て”前年度の稲わらは完全に分解させること”の大事さを知りました。
<h2>◼️まとめ</h2>
秋起こし&春起こしで有機物(稲わら)を完全に分解しよう!
田植え後は深水管理してみよう!
秋起こし春起こしができず稲わらが残っていたら燃やすか圃場外に持ち出そう!