実験記録

ヤマナハウス実験農場2018.6.21【小川編】

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昨年、ヤマナハウス実験農場のテストケース【小川編】https://wondervege.com/experiment/experimental-design-ogawa/で記載した実験パターンと変更してトライしています。

それについてまとめました。

目次

・圃場の形状・土質
・実験パターン
・栽培する野菜
・比較方法
・まとめ

・圃場の形状・土質

圃場の全景はこのような感じです。

山の頂きから道路に向かって緩やかな傾斜があります。

土質は粘土質ですが水はけはある程度良さそうです。
雨が降った翌日に水たまりができているということはありませんが、
畑作業をすると靴にベッタリと土がくっつきます。

通常、傾斜に対して直角になるように畝(うね)をつくりますが、

  • 水はけをできるだけ良くしたい。
  • 他の農法の影響を受けにくくしたい。

という理由から、傾斜に対して平行にしました。

ただ、斜面と平行だと大雨が降った場合、
斜面の上の方から水がどかっと流れてくるので
斜面の下部に土が流されます。

そのため、斜面上部に横方向に排水されるように溝をきりました。

水が上から下へ流れるため肥料分も上から下へ流れてしまいます。
そのため農法の違いによる肥料の影響が少ないよう畝を傾斜に対して水平にしました。

・栽培する野菜

2018年夏の栽培野菜としてサンマルツァーノトマトと米ナスを選びました。

サンマルツァーノトマトは加工用のトマトです。

生食用のトマトで食味の比較も考えましたが、食味の違いがあるのははっきりしていたので
流通を考えて加工用トマトを選びました。

個人消費者で生食トマトを大量に食べることはあまり考えられません。
そのため少量販売になると思いますがそうすると送料が割高になります。

対して加工用トマトはペーストにしたりソースにすることで冷凍保存することができます。
そのためまとめて購入することが可能で、その分、送料が割安になります。

そのため加工用トマトのサンマルツァーノトマトを選びました。

米ナスについてもペーストにできるという理由で選んでいますが私の趣向が大きいです。
初めて食べたナスのペースト「ババガヌーシュ」に感動したから(^_^)

ババガヌーシュ
https://cookpad.com/search/%E3%83%90%E3%83%90%E3%82%AC%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5

・実験パターン

テストパターンは以下の7つです。

  1. 自然栽培-畝たてのみ
  2. 炭素循環農法(廃菌床)
  3. 廃菌床+バーク堆肥施肥
  4. バーク堆肥施肥
  5. 牛糞堆肥施肥
  6. 発酵鶏糞施肥
  7. 化学肥料施肥

排水性向上のため圃場全面に籾殻を撒いてから耕運、畝立てしています。

肥料分のない畝から肥料分の多い畝へと並べてお互いの影響が少なくなるように配置しています。
なお、全テストケースで無農薬栽培で実験しています。

堆肥は主に物理性の改善(保肥力アップ、通気性UP)として利用されます。
また微生物を増やす炭素資材としても利用されると考えています。
それに対して肥料は肥料分を供給するために利用されます。

・廃菌床は糸状菌を増やすための炭素資材として投入しています。

・バーク堆肥、牛糞堆肥ともに肥料分は少なく土壌改良資材として利用されていますが、
特にバーク堆肥は肥料分はほとんどないと考えられています。
そのため、廃菌床と同じように糸状菌を増やす炭素資材と考えて投入しました。

・鶏糞は窒素分が多いため肥料と考えて施肥しました。
化学肥料に対する有機肥料という位置付けです。

・化学肥料は慣行農法で利用されており、一般的な栽培品質の基準と考えて施肥しました。

・比較方法

化学肥料の野菜を比較基準にして
土壌中の菌の様子、野菜の生育の様子、草の生え方、食味の違いを比較していきます。

・まとめ

自然栽培-畝たてのみ、炭素循環農法(廃菌床)、廃菌床+バーク堆肥施肥、バーク堆肥施肥、牛糞堆肥施肥、発酵鶏糞施肥、化学肥料施肥の7パターンの実験を行なっています。

野菜の成長を見ると、鶏糞、化学肥料の畝の成長は著しく早く大きくなっていますが、虫食いも多いです。
反面、自然栽培の畝は虫食いもなく元気に育っています。

もともとの土壌排水性や菌のまわり方の違いから
自然栽培の畝は土壌の肥沃度・清浄度が高いように思われます。

そのため自然栽培の畝の野菜は虫食いもなく元気に育っているのだろうと。
反面、隣の廃菌床の畝は元気に育っていないので何故なのか考えているところです

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