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有機栽培とは

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産地偽装や安心安全への関心の高まりから
有機野菜、オーガニック食品を求める消費者が増えてきました。

その反面、
有機野菜がどのように栽培されているのか
わかっているようでいて
わからないことも沢山あるのではないでしょうか。

というわけで
一般的な有機栽培について
また有機JASについてまとめてみました。

目次
・有機栽培とは
・有機農家とは
・有機JASとは
・有機栽培の問題
・【チョット哲学】そもそも有機って何?
・まとめ

・有機栽培とは

一般的な有機栽培農家さんは
有機肥料を使い、無農薬で栽培しています。

有機肥料は
牛糞・豚糞・鶏糞や米ぬか・油かすなどを使っています。

農薬については使わない農家さんが多いと思いますが、
木酢液や食酢を使うということはあるかもしれません。
有機JASでは使用出来る肥料、農薬が規定されています。

慣行農法同様に耕起や畝立て、マルチを使うこともありますし
大規模農家になれば大型機械、
播種機や収穫機など専用機械を使うこともあります。

・有機農家とは

有機栽培農家さんには
主に2つのタイプの農家さんがいます。

1つは、有機JASを取得した農家さん。
もう一つは、認証を取得していない農家さんです。

有機栽培、あるいは有機野菜の話しをするのに困るのが
この有機JAS認証を取得しているかどうかです。

農林水産省的には有機JASを取得していないと
有機野菜、オーガニック野菜とパッケージに載せたり
広告することができません。
無農薬という言葉も使うことができません。

なので法律的に「有機栽培農家です」と言うのも
有機JASを取得していないとNGです。

ちなみに、
栽培期間中、農薬化学肥料不使用という文言も
特別栽培(減農薬・減肥の認証)の認証を
取得しないといけません。

有機JASを取得するのに様々な条件がありますし
コストがかかります。
詳しくは次章・有機JASとはでお話しします。

一方、未認可の有機農家さんは、
自主規制しています。

「有機野菜です。」「有機農家です。」
と言わないように気をつけていますし
栽培方法も気をつけています。

無農薬、有機肥料で栽培されていますし、
知人の農家さんは、鶏を飼って鶏糞を利用したり、
籾殻、きのこの廃菌床をもらってきて利用しています。

害虫の防除は昔ながらの知恵を使ったり
手で取っています。

自主規制有機農家さんを見ていると
野菜に対する愛情が半端ないです。
まるで我が子を育てているかのようです。

いただいたお野菜はとても美味でした。

・有機JASとは

「有機農産物の日本農林規格」で有機JAS(規格)の目的は

・自然循環機能の維持増進を図る。
・土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させる。
・環境への負荷をできる限り提言する。

と書かれています。

この有機JASを取得するには様々な条件があります。

例えば
・周辺から使用禁止資材が飛来し、又は流入しないように必要な措置を講じている圃場
・栽培開始前2年以上の間、使用禁止資材(農薬・化学肥料)が使用されていない圃場
などがあります。

また有機JASでは、
使って良い肥料と農薬が決められています。

有機JASで使って良い肥料は
なたね油粕、バーク堆肥、発酵鶏糞、貝化石、魚カスなどがあります。
また硫黄や苦土などは
「化学的処理を行っていないもの」という規定があります。

使って良い農薬では、
除虫菊乳剤、マシン油エアゾル、デンプン水和剤、硫黄くん煙剤
などがあります。

マシン油は原料が機械オイルなので、
「使っていいんか?」と疑問がありますが。

また、
この認証を取得するのに費用がかかりますし、
取得後もきちんと管理されているかのチェックが入ります。

近隣で慣行農法をしていれば
有機JASを取得できる可能性は低くなりますし、
小さい田畑では取得コストや書類作成などの手間暇が割に合いません。

こういった問題から、
認証を取得したい農家さんはたくさんいても
広まらないというのが現状です。

・有機栽培の問題

残留化学物質の問題

オーガニックフード、有機栽培が流行りだした時、
堆肥に含まれる化学物質の危険性を指摘されました。

牛・豚・鳥は抗生物質やビタミン剤など
化学物質が使用されているからです。

糞となるときに抗生物質などが
濃縮して排出されるのではないか、
それを利用した牛糞堆肥や発酵鶏糞に
化学物質が残留しているのではないかと。

以下、個人的な考えです。

残留化学物質も大事な視点ですが、
まずは今ある有機肥料を使って
有機栽培を確立して良いのではないか。

また微生物の発酵過程で
化学物質はある程度無害化しているのではないか
と思っています。
根拠はありませんが。

問題点を理解しつつ
できるところから改善していく。

そんなスタンスで進めていけば
いつか全体が良くなる、
と期待しています。

未熟堆肥の問題

市販されている牛糞堆肥や発酵堆肥は
未熟堆肥であることが多いです。

実際、私が購入した牛糞堆肥や発酵鶏糞は
水にぬらすと腐敗したので
米ぬか・籾殻を混ぜて再発酵させて利用しています。

未熟堆肥のまま畑に鋤きこむと
腐敗するため腐敗臭がしてきます。

この腐敗臭に害虫が寄ってきますし、
腐敗が続けば土壌の団粒構造が破壊され
不透水層になったり硬盤層になります。

この硬盤層で水がとまり
さらに水が腐敗する悪循環となります。

野菜に腐敗臭も移るため
食味も落ちてしまいます。

堆肥過剰の問題

「有機野菜は人気がある!売れる!」
と有機栽培がブームになりました。

そして有機栽培なら安心安全だからと
大量に施肥されました。

あるいは有機肥料の特性を知らずに
大量に入れてしまったのかもしれません。

一般的に有機肥料は化学肥料と違い
微生物に分解されながら
ゆっくりと栄養分を供給していきます。

化学肥料に慣れている農家さんが
「有機肥料は全然効かない!」
と大量に入れてしまったのかもしれません。

その結果、
硝酸態窒素濃度が高くなり
葉が濃い緑色になり、エグミが強い野菜が
育ってしまいます。

硝酸態窒素については硝酸態窒素の身体への影響にまとめています。

現在は、有機肥料の利用方法が周知されつつあるため
以前よりも肥料過多は減少してきたようです。

【チョット哲学】そもそも有機って何?

まとめるのが難しく後回しにしてきたこの有機農法。

なぜ後回しにしたかというと
有機JAS規格と一般消費者の認識の違い。

それと
有機について考えていくと
「生命って何?」となるからです。

有機の意味は

1 生命力を有すること。生活機能を有すること。
2 有機物の性質をもつこと。
3 「有機化合物」「有機化学」などの略。⇔無機。

https://dictionary.goo.ne.jp/jn/223941/meaning/m0u/

有機物の意味は

1 有機体すなわち動植物体を構成している物質。
2 有機化合物のこと。

https://dictionary.goo.ne.jp/jn/223996/meaning/m0u/有機物/

有機的の意味は

[形動]有機体のように、
多くの部分が緊密な連関をもちながら全体を形作っているさま。
「有機的な構造」

https://dictionary.goo.ne.jp/jn/223987/meaning/m0u/有機的/

有機化合物とは炭素を含む化合物のことです。
有機農法って炭素の循環とも言えるわけです。

でも、自然農法や有機農法、炭素循環農法、有機野菜やオーガニックを求める人たちは
生命の循環を求めていると思うのです。

そうすると、「生命の循環って何だ?」と頭を悩ませます。

私たちの身体も細胞という一つの微生物の集合体ですし
腸内では腸内細菌が大量に存在しています。
空気中、土中にも菌が大量に存在します。

菌が生命の循環の鍵を握っているんじゃないか。

それを考えていくと
「無農薬無肥料栽培あるいは炭素循環農法って、菌の循環を学ぶ農場じゃないか」
と思うのです。

(哲学は続く)

まとめ

有機農法は無農薬・有機肥料で育てる栽培法、
というのが一般的な認識ですが、
有機JASでは使用して良い農薬もあります。

「虫害で全滅したらこまるよね」という心遣いからだと思います。

また有機野菜は安心安全というイメージがありますが
畜糞の残留化学物質や未熟堆肥、肥料過多の問題もあります。

なので有機野菜なら安心・安全だとは言えないと思います。

「じゃぁ、どうやって安心安全な野菜を手に入れるのさ?」
というと、最終的には”人”だと思います。

信用できる農家さん、好きな農家さん、友達になりたい農家さん、
自然から学ぼうと真摯な農家さんを見つけて、
一緒に畑で野良仕事したりお野菜に触れてみる。

それであなたが「この農家さんいいな。」と思ったなら
どんな農法で栽培されていようとあなたを元気にしてくれる野菜を提供してくれると思います。

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コメント

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